当まとめでは統計検定$2$級の公式テキストの副教材に用いることができるように、統計学入門に関して取り扱います。当記事では「統計検定$2$級対応 統計学基礎」の$2.9.2$節「共分散と相関係数」の内容を元に確率変数の和の期待値・分散の取り扱いに関して取りまとめました。
統計検定$2$級のテキストとの対応がわかりやすいように、目次を「統計検定$2$級対応 統計学基礎」と対応させました。学びやすさの観点からあえて目次を対応させましたが、当まとめは「統計の森」オリジナルのコンテンツであり、統計検定の公式とは一切関係ないことにご注意ください。
・統計検定$2$級対応・統計学入門まとめ
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Contents
当記事の概要
概要
当記事では以下、確率変数$X, Y$の和$X+Y$に関する期待値$E[X+Y]$や分散$V[X+Y]$の取り扱いについてまとめました。下記などの内容を元に取りまとめました。
必要な数学
導出の理解にあたっては、展開・因数分解(factorization)の基本公式が必須です。
確率変数の和の期待値・分散の取り扱い
$E[X+Y] = E[X]+E[Y]$
確率変数の和$X+Y$の期待値$E[X+Y]$は下記のように表すことができます。
$$
\large
\begin{align}
E[X+Y] = E[X] + E[Y]
\end{align}
$$
上記の導出に関しては下記で詳しく取り扱いました。
$V[X+Y]$の取り扱い
確率変数の和$X+Y$の分散$V[X+Y]$は下記のように表すことができます。
$$
\large
\begin{align}
V[X+Y] = V[X] + V[Y] + \mathrm{Cov}[X,Y] \quad (1)
\end{align}
$$
上記の$\mathrm{Cov}[X,Y]$は$X$と$Y$の共分散を表します。式の導出に関しては下記で詳しく取り扱いました。
ここで相関係数を$r[X,Y]$とおくと、相関係数の定義より下記のように表されます。
$$
\large
\begin{align}
r[X,Y] = \frac{\mathrm{Cov}[X,Y]}{\sqrt{V[X]V[Y]}}
\end{align}
$$
上記より$(1)$式は下記のように表すこともできます。
$$
\large
\begin{align}
V[X+Y] &= V[X] + V[Y] + \mathrm{Cov}[X,Y] \quad (1) \\
&= V[X] + V[Y] + r[X,Y] \sqrt{V[X]V[Y]}
\end{align}
$$
$V[X_1 + \cdots + X_n]$の取り扱い
下記で詳しく取り扱いました。