TeXの基本的用法やよく用いるTeX表記まとめ 〜文字の装飾、数学記号 etc〜

数式を用いた文書を作成するにあたって、TeXが使えると修正が容易だったり使い回しができたりなど様々なところで役に立ちます。当記事ではTeXの基本的用法やよく用いるTeX表記に関して取りまとめを行いました。

・数学まとめ
https://www.hello-statisticians.com/math_basic

基本的な数式

式の表記

下記のように表すことができます。

・文の途中

$数式$

実行例① $\quad x=10$

・文の間

$$
数式
$$

実行例②
$$
x=10
$$

ギリシア文字

出力コマンド概要
$\alpha$ \alpha
$\beta$ \beta
$\gamma$\gamma
$\delta$ \delta
$\epsilon$ \epsilon
$\varepsilon$ \varepsilon

記号

出力コマンド概要
$\sqrt{2}$\sqrt{2}平方根を表す際に用いる
$\sqrt[3]{2}$\sqrt[3]{2}三乗根を表す際に用いる
$\sqrt[n]{2}$\sqrt[n]{2}$n$乗根を表す際に用いる
$\displaystyle \sum_{i=1}^{n}$\displaystyle \sum_{i=1}^{n}和を計算する際に用いる
$\displaystyle \prod_{i=1}^{n}$\displaystyle \prod_{i=1}^{n}積を計算する際に用いる
$\displaystyle \int_{a}^{b}$\displaystyle \int_{a}^{b}積分を計算する際に用いる

スペース

出力コマンド概要
$ab$ab
$a \: b$a \: b
$a \, b$a \, b
$a \quad b$a \quad b
$a \qquad b$a \qquad b\qquadは\quad$2$つ分

括弧

出力コマンド概要
$\vert$\vert
$\displaystyle (\frac{y}{x})$\displaystyle (\frac{y}{x})通常の()を用いると自動で調整されない
$\displaystyle \left( \frac{y}{x} \right)$\displaystyle \left( \frac{y}{x} \right)\left( \right)を用いると自動で調整される
$\displaystyle \left[ \frac{y}{x} \right]$\displaystyle \left[ \frac{y}{x} \right]\left \rightは[]に用いることもできる
$\displaystyle \left\{ \frac{y}{x} \right\}$\displaystyle \left\{ \frac{y}{x} \right\}\left \rightは\{\}に用いることもできる
$\displaystyle P\left( x \middle\vert \frac{1}{\theta} \right)$\displaystyle P\left( x \middle\vert \frac{1}{\theta} \right)\leftや\rightと同様に\middleも抑えておくとよい

矢印

出力コマンド概要
$\rightarrow$ \rightarrow
$\nrightarrow$ \nrightarrow
$\Rightarrow$ \Rightarrow
$\nRightarrow$ \nRightarrow
$\mapsto$ \mapsto
$\longrightarrow$ \longrightarrow
$\Longrightarrow$ \LongRightarrow
$\longmapsto$ \longmapsto
$\nearrow$ \nearrow
$\searrow$ \searrow
$\swarrow$ \swarrow
$\nwarrow$ \nwarrow

出力コマンド概要
$\cdots$\cdots$m \times n$行列の表記の際などに用いる
$\vdots$ \vdots$m \times n$行列の表記の際などに用いる
$\ddots$ \ddots$m \times n$行列の表記の際などに用いる

図形

出力コマンド概要
$\angle$ \angle角度を表す際に用いる
$\triangle$ \triangle三角形を表す際に用いる

連立方程式

・出力
$$
\large
\begin{cases}
2x + y = 3 \\
x + 2y = 3
\end{cases}
\qquad (1)
$$

・コマンド

\large
\begin{cases}
2x + y = 3 \\
x + 2y = 3
\end{cases}
\qquad (1)

・出力
$$
\large
\sigma :
\begin{cases}
1 \longmapsto 2 \\
2 \longmapsto 3 \\
3 \longmapsto 1
\end{cases}
$$

・コマンド

\large
\sigma :
\begin{cases}
1 \longmapsto 2 \\
2 \longmapsto 3 \\
3 \longmapsto 1
\end{cases}

文字の装飾

出力コマンド概要
$\mathbf{a}, \mathbf{A}$\mathbf{a}, \mathbf{A}ベクトルや行列を表す際によく用いる
$\boldsymbol{\phi}, \boldsymbol{\eta}$\boldsymbol{\phi}, \boldsymbol{\eta}ギリシア文字のボールド体を表す際などに用いる。\mathbfでは変化しない場合などに使用を検討すると良い
$\mathbb{Z}, \mathbb{R}$\mathbb{Z}, \mathbf{R}整数、実数などの集合を表す際に用いる
$\mathrm{T}$\mathrm{T}$A^{\mathrm{T}}$のように行列の転置を表す際に用いる
$\bar{x}$\bar{x}$\bar{x}$のように平均を表す際などに用いる
$\overline{AB}$\overline{AB}長い線が必要な際に用いる
$\vec{x}$\vec{x}$\vec{x}$のようにベクトルを表す際などに用いる
$\overrightarrow{AB}$\overrightarrow{AB}長いベクトルが必要な際に用いる
$\hat{\theta}$\hat{\theta}推定値を表す際によく用いる
$\tilde{\theta}$\tilde{\theta}

数学記号

演算子

出力コマンド概要
$\dagger$\dagger
$\pm$\pm$2$次方程式の解などによく用いる
$\mp$\mp$\pm$を両辺から引く際などに用いる
$\circ$\circ度数を表す際に$180$^{\circ}のように用いることが多い
$\cdot$\cdotベクトルの内積の計算の際などに用いる
$\partial$\partial偏微分の計算などに用いる
$\nabla$\nablaベクトルでの微分などの際に用いる
$\Delta$\Deltaラプラス作用素を表す際などに用いる
$\oplus$\oplus$\mathrm{mod} \, 2$の計算を表す際などに用いる
$\odot$\odot

等号・不等号

出力コマンド概要
$=$=
$\lt$\lt「<」をそのまま用いても良い
$\gt$\gt「>」をそのまま用いても良い
$\leq$\leq
$\geq$\geq
$\simeq$\simeq近似の際などに用いる
$\neq$\neq等号が成立しない場合に用いる
$\equiv$\equiv整数の合同や式の定義などに用いる
$\perp$\perp垂直を表す際に用いることが多い
$\to$\to極限を考える際などに用いる
$\propto$\propto比例を表す記号であり、ベイズの定理などでよく用いる

集合と要素

出力コマンド概要
$\in$ \in集合の要素を表す際に用いる
$\notin$ \notin集合に要素が含まれない場合に用いる
$\subset$\subset部分集合を表す際に用いる
$\cup$\cup和集合を表す際に用いる
$\cap$\cap 積集合を表す際に用いる

論理

出力コマンド概要
$\implies$ \implies十分条件
$\impliedby$ \impliedby必要条件
$\iff$ \iff必要十分条件
$\forall$ \forall任意の
$\exists$ \exists存在

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