ダランベール(d’Alembert)の収束判定法の概要と具体的な使用例のまとめ

ダランベール(d’Alembert)の収束判定は級数の収束判定にあたって隣接する一般項の除算を行うことで判定を行う手法です。当記事ではダランベールの収束判定法の概要と、具体的な活用に関して確認するにあたって使用例について取りまとめを行いました。
作成にあたっては「チャート式シリーズ 大学教養 微分積分」の第$8$章「級数」を主に参考にしました。

・数学まとめ
https://www.hello-statisticians.com/math_basic

ダランベールの収束判定法の概要

正項級数$\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} a_n, \: a_n > 0$に関して下記が存在すると仮定する。
$$
\large
\begin{align}
\lim_{n \to \infty} \frac{a_{n+1}}{a_n} = r
\end{align}
$$

このとき、$r<1$であれば級数$\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} a_n, \: a_n > 0$は和を持ち、$r>1$であれば級数は発散する。

上記をダランベールの収束判定法という。

ダランベールの収束判定法の使用例

以下、「チャート式シリーズ 大学教養 微分積分」の例題の確認を行う。

基本例題$153.(1)$

$$
\large
\begin{align}
\sum_{n=1}^{\infty} a_n = \sum_{n=1}^{\infty} \frac{n!}{n^n}
\end{align}
$$

上記に対して$\displaystyle \frac{a_{n+1}}{a_n}$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
\frac{a_{n+1}}{a_n} &= \frac{(n+1)!}{(n+1)^{n+1}} \times \frac{n^n}{n!} \\
&= \left( \frac{n}{n+1} \right)^{n} \times \frac{\cancel{n+1}}{\cancel{n+1}} \times \frac{\cancel{n!}}{\cancel{n!}} \\
&= \left( \frac{n}{n+1} \right)^{n}
\end{align}
$$

ここで$\displaystyle \left( \frac{n}{n+1} \right)^{n}$に関して下記が成立する。
$$
\large
\begin{align}
\lim_{n \to \infty} \left( \frac{n}{n+1} \right)^{n} &= \lim_{n \to \infty} \frac{1}{\displaystyle \left( 1+\frac{1}{n} \right)^{n}} \\
&= \frac{1}{e} < 1
\end{align}
$$

上記に対し、ダランベールの収束判定を用いることで、級数が収束し和を持つと考えることができる。

基本例題$153.(2)$

$$
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\begin{align}
\sum_{n=1}^{\infty} a_n = \sum_{n=1}^{\infty} a^{n} \log{n}, \quad a>0
\end{align}
$$

上記に対して$\displaystyle \frac{a_{n+1}}{a_n}$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
\frac{a_{n+1}}{a_n} &= \frac{a^{n+1} \log{(n+1)}}{a^{n} \log{n}} \\
&= \frac{a \log{(n+1)}}{\log{n}} \\
&= a \times \frac{\log{n \left( 1+\frac{1}{n} \right)}}{\log{n}} \\
&= a \times \frac{\log{n} + \log{\left( 1+\frac{1}{n} \right)}}{\log{n}} \\
&= a \left( 1 + \frac{\log{\left( 1+\frac{1}{n} \right)}}{\log{n}} \right)
\end{align}
$$

ここで$\displaystyle a \left( 1 + \frac{\log{\left( 1+\frac{1}{n} \right)}}{\log{n}} \right)$に関して下記が成立する。
$$
\large
\begin{align}
\lim_{n \to \infty} a \left( 1 + \frac{\log{\left( 1+\frac{1}{n} \right)}}{\log{n}} \right) &= a (1 + 0) \\
&= a
\end{align}
$$

$a>0$であるので、$0<a<1$のとき級数は収束し、$a>1$のとき級数は発散すると考えられる。

基本例題$153.(3)$

$$
\large
\begin{align}
\sum_{n=1}^{\infty} a_n = \sum_{n=1}^{\infty} \frac{n^{k}}{n!}, \quad k \in \mathbb{R}
\end{align}
$$

上記に対して$\displaystyle \frac{a_{n+1}}{a_n}$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
\frac{a_{n+1}}{a_n} &= \frac{(n+1)^{k}}{(n+1)!} \times \frac{n!}{n^{k}} \\
&= \frac{1}{n+1} \left( \frac{n+1}{n} \right)^{k} \\
&= \frac{1}{n+1} \left( 1+\frac{1}{n} \right)^{k}
\end{align}
$$

ここで$\displaystyle \left( \frac{n}{n+1} \right)^{n}$に関して下記が成立する。
$$
\large
\begin{align}
\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n+1} \left( 1+\frac{1}{n} \right)^{k} &= 0(1+0) \\
&= 0 < 1
\end{align}
$$

上記に対し、ダランベールの収束判定を用いることで、級数が収束し和を持つと考えることができる。

重要例題$086.(1)$

重要例題$086.(2)$