統計検定2級 公式問題集 CBT対応版 解答例まとめ 〜4. 確率〜

「統計検定$2$級 公式問題集 CBT対応版」の解答例を取りまとめるにあたって、当記事では「PART.$2$ 分野・項目別 問題・解説」のCategory.$4$「確率」の解答例を作成しました。解答例は「統計の森」オリジナルのコンテンツであり、統計検定の公式とは一切関係ないことにご注意ください。

解答例

Q.1

受講する事象を$X$、合格する事象を$Y$で定める。このとき$P(X \cap Y)$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
P(X \cap Y) &= P(Y|X)P(X) \\
&= 0.7 \times 0.2 \\
&= 0.14
\end{align}
$$

上記より、正解は①の$0.14$である。

Q.2

クッキーが工場$A, B$で生成されたという事象をそれぞれ$A, B$、カモノハシの絵がプリントされている事象を$C$とおく。このとき$P(A|C)$はベイズの定理に基づいて下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
P(A|C) &= \frac{P(C|A)P(A)}{P(C)} \\
&= \frac{P(C|A)P(A)}{P(C|A)P(A) + P(C|B)P(B)} \\
&= \frac{0.02 \times 0.7}{0.02 \times 0.7 + 0.08 \times 0.3} \\
&= \frac{7}{19} \\
&= 0.368 \cdots
\end{align}
$$

上記より、正解は②である。

Q.3

無作為復元抽出であるので、$1$回ごとの確率は一定の$1/10$である。よってくじを引く回数の期待値は$10$回であるので正解は②である。

・別解
幾何分布に基づいて考えても良い。くじを引く回数を$X$、$p=1/10$とおくと、$X \sim \mathrm{Geo}(p)$であるので、$P(X=k)$は下記のように表せる。
$$
\large
\begin{align}
P(X=k) = p(1-p)^{k-1}
\end{align}
$$

また、$P(X=5+k|X>5)$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
P(X=5+k|X>5) &= \frac{P(X=5+k)}{P(X>5)} \\
&= \frac{p(1-p)^{5+k-1}}{(1-p)^{5}} \\
&= p(1-p)^{k-1} = P(X=k)
\end{align}
$$

上記より$P(X=5+k|X>5)=P(X=k)$が成立するので、すでに外れだった分はリセットし$X$を考えれば良い。幾何分布の期待値は$\displaystyle E[X] = \frac{1}{p}$より、$E[X]$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
E[X] &= \frac{1}{p} \\
&= \frac{1}{1/10} = 10
\end{align}
$$

Q.4

$P(A)=0.4, P(B)=0.35, P(A \cup B)=0.61$より、$P(A \cap B)$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
P(A \cap B) &= P(A) + P(B) – P(A \cup B) \\
&= 0.35 + 0.4 – 0.61 \\
&= 0.14
\end{align}
$$

上記より、$P(A \cap B) \neq 0$であるので、$A$と$B$が排反ではないことが確認できる。また、$P(A)P(B)$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
P(A)P(B) &= 0.4 \times 0.35 \\
&= 0.14 = P(A \cap B) \\
\end{align}
$$

上記より$P(A \cap B)=P(A)P(B)$であるので$A$と$B$が独立であることが確認できる。よって正解は②である。

Q.5

下記のように$X$の期待値$E[X]$を計算できる。
$$
\large
\begin{align}
E[X] &= \frac{1}{3} \times 2 \times \frac{2}{5} + \frac{2}{3} \times 2 \times \frac{1}{5} \\
&= \frac{8}{15}
\end{align}
$$

よって正解は⑤である。

Q.6

参考

・【統計検定$2$級対応】統計学入門まとめ
https://www.hello-statisticians.com/stat_basic