区間推定(interval estimation)|問題演習で理解する統計学【4】

下記などで取り扱った、区間推定(interval estimation)に関する問題演習を通した理解ができるように問題・解答・解説をそれぞれ作成しました。

・標準演習$100$選
https://www.hello-statisticians.com/practice_100

作成にあたっては「統計検定準$1$級 ワークブック」の第$9$章を主に参考にしました。

基本問題

区間推定の概要と母平均の区間推定

母分散の区間推定

発展問題

母分散の比の区間推定

多項分布の区間推定

・問題
多項分布では$K$値の起こる確率をそれぞれ$p_1, p_2, \cdots , p_K$のように定め、起こった回数を表す確率変数$N_1, N_2, \cdots , N_K$に関する同時確率の計算を行う。

確率変数$N_i$に対応する観測値を$n_i$とおくと、同時確率関数$P(N_1=n_1, N_2=n_2, \cdots , N_K=n_K)$は下記のように表される。
$$
\large
\begin{align}
P(N_1=n_1, N_2=n_2, \cdots , N_K=n_K) &= \frac{(n_1 + \cdots + n_K)!}{n_1! \cdots n_K!} p_1^{y_1} \cdots p_K^{y_K} \\
&= \frac{\displaystyle \left( \sum_{k=1}^{K} n_k \right)!}{\displaystyle \prod_{k=1}^{K} n_k!} \prod_{k=1}^{K} p_k^{n_k} \\
\sum_{k=1}^{K} n_k &= n
\end{align}
$$

この問題では以下、観測値$n_1, n_2, \cdots , n_K$が得られたときの確率パラメータ$p_i$の区間推定に関して以下取り扱う。下記の問いにそれぞれ答えよ。
i) $N_i$や$n_i$に対応する$i$番目の事象が起こるかに着目するとき、多項分布は「$i$番目の事象が起こるかどうか」の二項分布に帰着して考えることができる。このことに基づいて期待値$E[N_i]$と分散$V[N_i]$を二項分布の式を元に答えよ。
ⅱ)

・解答
i)
期待値$E[N_i]$と分散$V[N_i]$は下記のように表せる。
$$
\large
\begin{align}
E[N_i] &= n p_i \\
V[N_i] &= n p_i (1-p_i)
\end{align}
$$

・解説

多項分布の差の区間推定