単射・全射・全単射と逆写像(inverse mapping)の性質

線形写像(linear mapping)を取り扱う際に、全単射と逆写像(inverse mapping)は重要なトピックです。当記事では全単射を構成する単射・全射や逆写像に関して、概要の取りまとめや演習を通した具体例の確認を行いました。
作成にあたっては「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数」の第$6.1$節「線形写像」を主に参考にしました。

・数学まとめ
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線形写像の概要

単射

任意の$x \in X, \, x’ \in X$に対し『$x \neq x’ \implies f(x) \neq f(x’)$』が成立するとき、写像$f: X \longrightarrow Y$は単射である。単射は『$1$対$1$の写像である』と解釈すれば良い。

全射

任意の$y \in Y$に対し、$y=f(x)$となる$x \in X$が少なくとも$1$つ存在するとき、写像$f: X \longrightarrow Y$は全射である。全射は「$Y$のいかなる要素も$X$のなんらかの要素の像であること」や「写像$f$の値域と終域が一致する」のように言い換えることもできる。

全単射と逆写像

写像$f: X \longrightarrow Y$が単射かつ全射であるとき、写像$f$は全単射である。『写像$f$が全単射である $\iff$ 写像$f$が逆写像を持つ』が成立する。関数$y=f(x)=x+1$のような逆関数を持つ関数を元に直感的に理解しておくとよく、写像$f$が全単射であるときは$X$の要素$x \in X$と$Y$の要素$y \in Y$がそれぞれ$1$対$1$対応する。

また、写像$f: X \longrightarrow Y$と$g: Y \longrightarrow X$について下記が成立するとき写像$g$は写像$f$の逆写像$f^{-1}$である。
$$
\large
\begin{align}
g \circ f &= \mathrm{id}_{X} \\
f \circ g &= \mathrm{id}_{Y}
\end{align}
$$

具体例の確認

以下、「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数」の例題の確認を行う。

基本例題$104$

基本例題$105$

基本例題$106$

写像$g: Y \longrightarrow X$が写像$f: X \longrightarrow Y$の逆写像であるとき、下記が成立する。
$$
\large
\begin{align}
g \circ f &= \mathrm{id}_{X} \\
f \circ g &= \mathrm{id}_{Y}
\end{align}
$$

上記より写像$f: X \longrightarrow Y$は写像$g: Y \longrightarrow X$の逆写像である。