区間推定(Interval estimation)|問題演習で理解する統計学【2】

https://www.hello-statisticians.com/explain-terms-cat/flow_chart_stat1.html
上記などで取り扱った、区間推定(Interval estimation)の問題演習ができるように問題・解答・解説をそれぞれ作成しました。

基本問題

母平均の推定①(母分散既知)

・問題
i) $x_1, x_2, …, x_n$が得られた際の標本平均$\bar{x}$を求めよ。
ⅱ) 中心極限定理より、標本平均$\bar{x}$は正規分布$N(\mu, \sigma^2)$に従うと考えることができるとする。この時、$\displaystyle \frac{\bar{x}-\mu}{\sigma/\sqrt{n}}$はどのような分布に従うか。
ⅲ) $\displaystyle \frac{\bar{x}-\mu}{\sigma/\sqrt{n}}$の95%両側区間を求めよ。もし具体的な値がわからなければ、ⅱ)の答えの分布の上側確率を$p$とする点を$z_{\alpha=p}$のように表して区間推定を行って良いものとする。また、$p$に対して$0 \leq p \leq 1$が成立していることとする。

・解答
i)
$\bar{x}$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
\bar{x} &= \frac{1}{n}(x_1+x_2+…+x_n) \\
&= \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} x_i
\end{align}
$$

ⅱ)
平均との差を標準偏差で割っていることから、標準化を行ったと考えることができる。よって、標準正規分布$N(0, 1)$に従うと考えられる。

ⅲ)
95%両側区間は下記のように求めることができる。
$$
\large
\begin{align}
z_{\alpha=0.975} \leq &\frac{\bar{x}-\mu}{\sigma/\sqrt{n}} \leq z_{\alpha=0.025} \\
z_{\alpha=0.975}\frac{\sigma}{\sqrt{n}} \leq &\bar{x}-\mu \leq z_{\alpha=0.025}\frac{\sigma}{\sqrt{n}} \\
-z_{\alpha=0.025}\frac{\sigma}{\sqrt{n}} \leq &\mu-\bar{x} \leq -z_{\alpha=0.975}\frac{\sigma}{\sqrt{n}} \\
-z_{\alpha=0.025}\frac{\sigma}{\sqrt{n}} \leq &\mu-\bar{x} \leq z_{\alpha=0.025}\frac{\sigma}{\sqrt{n}} \\
\bar{x} – z_{\alpha=0.025}\frac{\sigma}{\sqrt{n}} \leq &\mu \leq \bar{x} + z_{\alpha=0.025}\frac{\sigma}{\sqrt{n}}
\end{align}
$$
また、上記において、標準正規分布$N(0, 1)$の表から、$z_{\alpha=0.025}=1.96$、$z_{\alpha=0.975}=-z_{\alpha=0.025}=-1.96$であることが読み取れることも抑えておくと良い。

・解説
「母分散既知の際の母平均の推定」は区間推定における最も基本的なトピックです。そのため、区間推定についてイメージがなかなかつかめない場合はとにかく「母分散既知の際の母平均の推定」の類題を確認すると良いと思います。

母平均の推定②(母分散未知)

・問題
i) $x_1, x_2, …, x_n$が得られた際の不偏標本分散$s^2$を求めよ。
ⅱ) $\displaystyle \frac{\bar{x}-\mu}{s/\sqrt{n}}$はどのような分布に従うか。
ⅲ) $\displaystyle \frac{\bar{x}-\mu}{s/\sqrt{n}}$の95%両側区間を求めよ。

・解答
i)
$s^2$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
s^2 &= \frac{1}{n-1}((x_1-\bar{x})^2+(x_2-\bar{x})^2+…+(x_n-\bar{x})^2) \\
&= \frac{1}{n-1} \sum_{i=1}^{n} (x_i-\bar{x})^2
\end{align}
$$

ⅱ)
自由度$n-1$の$t$分布$t(n-1)$に従う。

ⅲ)
自由度$n-1$の$t$分布$t(n-1)$の上側確率を$p$とする点を$t_{\alpha=p}(n-1)$のように表すとする。この時、95%両側区間は下記のように求めることができる。
$$
\large
\begin{align}
t_{\alpha=0.975}(n-1) \leq &\frac{\bar{x}-\mu}{s/\sqrt{n}} \leq t_{\alpha=0.025}(n-1) \\
t_{\alpha=0.975}(n-1)\frac{s}{\sqrt{n}} \leq &\bar{x}-\mu \leq t_{\alpha=0.025}(n-1)\frac{s}{\sqrt{n}} \\
-t_{\alpha=0.025}(n-1)\frac{s}{\sqrt{n}} \leq &\mu-\bar{x} \leq -t_{\alpha=0.975}(n-1)\frac{s}{\sqrt{n}} \\
-t_{\alpha=0.025}(n-1)\frac{s}{\sqrt{n}} \leq &\mu-\bar{x} \leq t_{\alpha=0.025}(n-1)\frac{s}{\sqrt{n}} \\
\bar{x} – t_{\alpha=0.025}(n-1)\frac{s}{\sqrt{n}} \leq &\mu \leq \bar{x} + t_{\alpha=0.025}(n-1)\frac{s}{\sqrt{n}}
\end{align}
$$

標準正規分布の分布表

・問題
標準正規分布$N(0,1)$の上側確率を$p$とする点を$z_{\alpha=p}$のように表すとする。この時、下記の値を分布表から読み取れ。
i) $z_{\alpha=0.5}$
ⅱ) $z_{\alpha=0.1}, z_{\alpha=0.9}$
ⅲ) $z_{\alpha=0.025}, z_{\alpha=0.975}$
ⅳ) $z_{\alpha=0.01}, z_{\alpha=0.99}$
ⅴ) $z_{\alpha=0.005}, z_{\alpha=0.995}$

・解答
i)
$$
\large
\begin{align}
z_{\alpha=0.5} = 0
\end{align}
$$

ⅱ)
$$
\large
\begin{align}
z_{\alpha=0.1} &= 1.28 \\
z_{\alpha=0.9} &= -1.28
\end{align}
$$

ⅲ)
$$
\large
\begin{align}
z_{\alpha=0.025} &= 1.96 \\
z_{\alpha=0.975} &= -1.96
\end{align}
$$

ⅳ)
$$
\large
\begin{align}
z_{\alpha=0.01} &= 2.32 \\
z_{\alpha=0.99} &= -2.32
\end{align}
$$

ⅴ)
$$
\large
\begin{align}
z_{\alpha=0.005} &= 2.58 \\
z_{\alpha=0.995} &= -2.58
\end{align}
$$

・解説
区間推定や検定などを行うにあたって、確率分布表を使い慣れているかどうかで難易度が大きく変わると思います。一見数字の羅列で難しそうではありますが、使い慣れることで問題を解きやすくなるのでとにかく慣れるのが良いと思います。

発展問題

参考書籍

・基礎統計学Ⅰ 統計学入門(東京大学出版会)