統計検定準$1$級対応の公式テキストである「統計学実践ワークブック」を1章から順に演習問題を中心に解説していきます。
今回は第$4$章「変数変換」です。
重要ポイント
確率変数にある関数をかけて変換したいことがあります。例えば、対数正規分布を考えた場合など。
Xの確率密度関数$f(X)$とした場合に、新たな確率変数$Y=g(X)$とした場合のYの確率密度関数は、単純に$f(g(X))$ではありません。以下の式となります。
$$
\begin{align}
h(y) &= f(g^{-1}(y))\frac{d(g^{-1}(y))}{dy}
\end{align}
$$
この辺りの詳説は別途記事を作成予定です。また、参考文献に挙げている書籍がわかりやすいと思います。
変数変換と置換積分
「問題演習で理解する統計学【$15$】」の「変数変換と置換積分」で取り扱いました。
ヤコビアンの図形的解釈
「問題演習で理解する統計学【$15$】」の「行列式$\det \mathbf{A}$の図形的解釈と平行四辺形の面積」と「ヤコビ行列$\mathbf{J}$とヤコビアン$\det \mathbf{J}$」で取り扱いました。
演習問題解説
問4.1
対数正規分布に従う確率変数Yの期待値、分散、確率密度関数を導出せよという問題です。
正規分布に従う確率変数$X$に指数関数をかけて変換したものを$Y$という確率変数にすることで、対数正規分布が得られます。ということで、変数変換を使って導出していこうというのが問題の趣旨になります。
(1) $Y$の期待値を求めよ
正規分布に従う確率変数$X$を利用して、$\exp(X)$の期待値を考えます。定義に従って愚直に計算していけば導出できますが、次の問では分散を導出することになっているため、モーメント母関数を利用します。
モーメント母関数$m(\theta)$は、$m(\theta) = E[\exp \left\{ \theta X \right\}]$です。つまり、$\theta=1$とすれば$Y$の期待値が導出できることがわかります。
$$
\begin{align}
E[\exp \left\{ \theta X \right\}] &= \int \exp\left\{ \theta X \right\} \frac{1}{\sqrt{2 \pi