統計検定準1級 問題解説 ~2021年6月実施 問8 仮説検定・サンプルサイズの計算~

問題

過去問題は統計検定公式が問題と解答例を公開しています。こちらを参照してください。

解答

[1] 解答

$\boxed{ \ \mathsf{16}\ }$ : ④
$\delta = \mu_A – \mu_P > 0$が前提にあることから帰無仮説$H_0: \mu_A = \mu_P$に対し、対立仮説は$H_1: \mu_A > \mu_P$のように考える。よって④が正しい。

[2] 解答

$\boxed{ \ \mathsf{17}\ }$ : ④
$\delta$に関して帰無仮説を$H_0: \delta_0=0$、対立仮説を$H_1: \delta_1>0$とおく。このとき、有意水準$5$%、検出力$80$%で考えると下記のような式が得られる。
$$
\large
\begin{align}
1.64 + 0.84 &= \frac{\delta_1 – \delta_0}{\displaystyle \sqrt{\frac{\sigma^2}{n}+\frac{\sigma^2}{n}}} \\
&= \frac{\delta}{\displaystyle \sqrt{2\frac{\sigma^2}{n}}} \\
n &= \left( \frac{1.64+0.84}{\delta} \right)^2 \times 2 \sigma^2
\end{align}
$$

上記を元に考えると、④が正しいと考えることができる。

[3] 解答

$\boxed{ \ \mathsf{18}\ }$ : ③
$[2]$で考えた$n$の式に対し、$\delta=3.1, \sigma=4.2$を代入すると下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
n &= \left( \frac{1.64+0.84}{\delta} \right)^2 \times 2 \sigma^2 \\
&= \left( \frac{1.64+0.84}{3.1} \right)^2 \times 2 \sigma^2 \\
&= 22.579… \simeq 23
\end{align}
$$

$n$は一方の群のみを考えているので、必要なサンプルサイズはこの$2$倍の$46$が対応する。よって③が正しいと考えられる。

解説

参考

準1級関連まとめ
https://www.hello-statisticians.com/toukeikentei-semi1

「統計学実践ワークブック」 演習問題 Ch.10 「検定の基礎と検定法の導出」
https://www.hello-statisticians.com/explain-books-cat/stat_workbook/stat_workbook_ch10.html

「統計学実践ワークブック」 演習問題 Ch.11 「正規分布に関する検定」
https://www.hello-statisticians.com/explain-books-cat/stat_workbook/stat_workbook_ch11.html