問題
過去問題は統計検定公式が問題と解答例を公開しています。こちらを参照してください。
解答
[1] 解答
$\boxed{ \ \mathsf{記述3}\ }$ : $\displaystyle \frac{1}{2}$
$X_i^2$の期待値$E[X_i^2]$は期待値の定義に基づいて下記のように計算することができる。
$$
\large
\begin{align}
E[X_i^2] &= 0^2 \times \frac{5}{10} + 1^2 \times \frac{5}{10} \\
&= \frac{5}{10} \\
&= \frac{1}{2}
\end{align}
$$
上記より、$\displaystyle E[X_i^2] = \frac{1}{2}$がわかる。
[2] 解答
$\boxed{ \ \mathsf{記述4}\ }$ : $\displaystyle \frac{2}{9}$
無作為非復元抽出であることから$X_i=1, X_j=1$となる確率は$\displaystyle \frac{{}_{5} C_2}{{}_{10} C_2} = \frac{10}{45} = \frac{2}{9}$である。よって、$E[X_iX_j]$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
E[X_i^2] &= 0 \times \left(1-\frac{2}{9} \right) + 1 \times \frac{2}{9} \\
&= \frac{2}{9}
\end{align}
$$
上記より、$\displaystyle E[X_iX_j] = \frac{2}{9}$がわかる。
[3] 解答
$\boxed{ \ \mathsf{記述5}\ }$ : $\displaystyle \frac{1}{36}$
$V[\bar{X}]=E[\bar{X}^2]-E[\bar{X}]^2$を元に$V[\bar{X}]$の導出を以下行う。
・$E[\bar{X}^2]$
$$
\large
\begin{align}
E[\bar{X}^2] &= E \left[ \left( \frac{1}{5} \sum_{i=1}^{5} X_i \right)^2 \right] \\
&= \frac{1}{25} E \left[ \left( \sum_{i=1}^{5} X_i \right)^2 \right] \\
&= \frac{1}{25} \left( \sum_{i=1}^{5} X_i^2 + \sum_{i \neq j} X_iX_j \right) \\
&= \frac{1}{25} ( 5E[X_i^2] + 20E[X_iX_j] ) \\
&= \frac{1}{25} \cdot \frac{5}{2} + \frac{1}{25} \cdot \frac{20 \cdot 2}{9} \\
&= \frac{5}{18}
\end{align}
$$
・$E[\bar{X}]^2$
$$
\large
\begin{align}
E[\bar{X}]^2 &= E \left[ \frac{1}{5} \sum_{i=1}^{5} X_i \right]^2 \\
&= \left( \frac{1}{2} \right)^2 \\
&= \frac{1}{4}
\end{align}
$$
よって、$V[\bar{X}]$は下記のように計算できる。
$$
\large
\begin{align}
V[\bar{X}] &= E[\bar{X}^2] – E[\bar{X}]^2 \\
&= \frac{5}{18} – \frac{1}{4} \\
&= \frac{1}{36}
\end{align}
$$
解説
$[1]$と$[2]$が$[3]$を計算する上で用いることに気づくと全体が一連の流れに沿って理解できるので良いと思います。また、$[3]$では$V[X_1+X_2]=V[X_1]+V[X_2]$が成立しないことに注意が必要で、これは有限非復元抽出に起因することを抑えておくと良いです。
この問題に関連する公式に関しては下記でも取り扱いましたので、こちらも合わせて確認しておくと良いと思います。
https://www.hello-statisticians.com/explain-terms-cat/expectation-variance-covariance.html
参考
・準1級関連まとめ
https://www.hello-statisticians.com/toukeikentei-semi1
[…] 統計検定準1級で非復元無作為抽出に関してここで用いた計算と同様の計算を行う出題がなされているので、合わせて抑えておくとよい。 […]