統計検定3級問題解説 ~2018年6月実施~ (問1~問10)

過去問題

過去問題は統計検定公式問題集が問題と解答例を公開しています。こちらを参照してください。


問1 解答

(量的変数)

$\boxed{ \ \mathsf{1}\ }$ ③

量的変数は計算できる数量を扱う変数です。なので、得票数や投票者数といった集計できる数量は量的変数です。政党名は質的変数となります。


問2 解答

(度数分布表、中央値、平均値)

$\boxed{ \ \mathsf{2}\ }$ ①

Ⅰ.中央値は、データを小さい順に並べたときにちょうど中央に来るデータの値です。問題の場合、人数が$250$人ですので、中央値は下から$125$番目と$126$番目の中間の値になります。ここで、$5$点以下の人数は、$2+4+15+20+22+51=114$人、$6$点以下の人数は、$2+4+15+20+22+51+40=154$人なので、下から$125$番目と$126$番目は、$6$点になります。
Ⅱ.$2$点以下の人数は$2+4+15=21$人なので、$3$点以上の人数は$250-21=229$人となり、その割合は$229/250\times100=91.6\%$となります。
Ⅲ.$4$点以下の人数は$2+4+15+20+22=63$人、$6$点以上の人数は$40+35+25+20+16=136$人なので、明らかに平均点は$5.0$点よりも大きくなります。


問3 解答

(累積度数)

[1]

$\boxed{ \ \mathsf{3}\ }$ ②

中央値は累積度数が$0.5$の値となりますから、グラフから$3$枚となります。(下から$10$番目と$11$番目の世帯の枚数はどちらも$3$枚となります。)

[2]

$\boxed{ \ \mathsf{4}\ }$ ④

シール枚数の度数分布は、グラフから、
 $0$枚$3$世帯、$1$枚$2$世帯、$2$枚$4$世帯、$3$枚$2$世帯、$4$枚$3$世帯、
 $5$枚$1$世帯、$6$枚$1$世帯、$7$枚$3$世帯、$20$枚$1$世帯
となります。最も多くシールを保有している世帯は$20$枚保有してます。


問4 解答

(条件付き確率)

[1]

$\boxed{ \ \mathsf{5}\ }$ ④

$1$回目に赤色のボールを取り出してから、$2$回目に白色のボールを取り出す確率は、赤色のボールが$1$個減っていますので、$\displaystyle \frac{6}{9}=\frac{2}{3}\fallingdotseq0.66$となります。

[2]

$\boxed{ \ \mathsf{6}\ }$ ②

$1$回目に赤色、$2$回目に白色を取り出す確率は、$\displaystyle \frac{4}{10}\times\frac{6}{9}=\frac{4}{15}$
$1$回目に白色、$2$回目に赤色を取り出す確率は、$\displaystyle \frac{6}{10}\times\frac{4}{10}=\frac{6}{25}$
したがって、求める確率は$\displaystyle \frac{4}{15}+\frac{6}{25}=\frac{20}{75}+\frac{18}{75}=\frac{38}{75}\fallingdotseq0.51$


問5 解答

(確率)

$\boxed{ \ \mathsf{7}\ }$ ③

$2$回サイコロを投げて出た目の合計が$4$以下となる組み合わせは、
$$1-1, 1-2, 1-3, 2-1, 2-2, 3-1$$
の$6$通りあります。それぞれの確率を求めて合計したものが求める確率となります。
$$\frac{1\times1+1\times2+1\times3+2\times1+2\times2+3\times1}{21\times21}=\frac{15}{441}\fallingdotseq0.034$$


問6 解答

(箱ひげ図)

$\boxed{ \ \mathsf{8}\ }$ ②

Ⅰ.箱ひげ図から中央値がおよそ$3000$百万円とわかりますが、平均値は読み取ることができません。ちなみに、分布が右に裾が長い分布となっていますので、平均値は中央値より大きいと予測されます。
Ⅱ.四分位範囲は箱ひげ図の箱の幅で表されます。箱ひげ図から、四分位範囲はおよそ$1000$百万円と読み取れます。
Ⅲ.年間販売額が最も高い都道府県名は、箱ひげ図からは読み取ることはできません。


問7 解答

(ヒストグラム)

$\boxed{ \ \mathsf{9}\ }$ ④

Ⅰ.ヒストグラムから、$100$万人以下の都道府県の数は$10$より小さいと読み取れます。したがって、すべてその人口をすべて合わせても$1000$万人よりも少ないことは明らかです。
Ⅱ.都道府県数は$47$ですので、中央値は小さいほうから$24$番目の値となります。この値は、ヒストグラムから$100$~$200$万人の間にあることが読み取れます。
Ⅲ.ヒストグラムから分布は右に長い分布となっているので、平均値は中央値より大きい値となることがわかります。$200$万人より多い都道府県の人口と$200$万人以下の都道府県の人口を比較すると、$200$万人より多い都道府県の人口のほうが大きいので、平均値は$100$~$200$万人より上の階級に存在することがわかります。


問8 解答

(偏差値)

[1]

$\boxed{ \ \mathsf{10}\ }$ ③

平均を$\bar x$、標準偏差を$s$とすると、得点$x_i$の偏差値は、
 $\displaystyle 50+10\times\frac{x_i-\bar x}{s}$
で求められます。よって、$A$組のある生徒の偏差値は、
 $\displaystyle 50+10\times\frac{83-70}{10}=63$
となります。

[2]

$\boxed{ \ \mathsf{11}\ }$ ③
求める$C$組の生徒の得点を$x$とすると、その偏差値と、$B$組の$88$点の偏差値とが等しいのですから、$$
\begin{eqnarray}
50+10\times\frac{x-68}{10}&=&50+10\times\frac{88-72}{8}\\
\therefore\ x&=&\frac{10\times(88-72)}{8}+68=88\end{eqnarray}$$
となります。


問9 解答

(ヒストグラム)

$\boxed{ \ \mathsf{12}\ }$ ②

普通科の最高得点は得点の(平均値)+(標準偏差)$=58.7+16.30=75.00$よりは高いと見込まれます。一方、特進科の最低得点は(平均値)ー(標準偏差)$=80.1-7.64=72.46$よりは低いと見込まれます。
最低点の生徒はヒストグラムから$20$~$29$点の範囲の点数です。もし、$29$点の生徒が特進科にいるとすると、特進科の標準偏差は$\sqrt{(29-80.1)^2/20}=11.4$以上となるので、表の標準偏差$7.64$にはなりません。
学年全体の平均は$(58.7\times40+80.1\times20)/(40+20)=65.8$となります。
ヒストグラムから分布は2つの峰があり、点数の低いほうの峰が普通科、点数が高いほうの峰が特進科の影響を受けているので、学年全体の散らばりは特進科のみの散らばりより大きくなることが見込まれます。したがって学年全体の分散が特進科のみの分散と等しくなるとは考えられません。
問題のグラフ・表は数学の試験結果についてのものなので、これからは英語の試験の結果はわかりません。


問10 解答

(クロス集計表、母集団と標本)

[1]

$\boxed{ \ \mathsf{13}\ }$ ② or

Ⅰ.「施策A」をよいと答えた人数は、年齢層が上がるほど大きくなっているので、年齢層が上がるほど「施策A」が好まれているといえますが、「分からない」「無回答」を除いて考えると、「施策A」をよいと答えた人が「施策B」をよいと答えた人を上回っている年齢層は「$71$歳以上」のみであるので、年齢層が上がるほど「施策A」が好まれているとは言えないとも考えられます。
Ⅱ.各年齢層同じ人数に対して調査を行ったうえで、「分からない」と回答した人数が最も多い年齢層は「$18$~$30$歳」となっています。
Ⅲ.「施策A」と「施策B」の関係について、特定の年齢層のみほかの年齢層と傾向が違うからと言って、これを切り捨てて結論を導くことは好ましくありません。

[2]

$\boxed{ \ \mathsf{14}\ }$ ④

各年齢層の「施策A」の選択率を求めると、
「$18$~$30$歳」:$20/200=0.1$、「$31$~$40$歳」:$60/200=0.3$、
「$41$~$50$歳」:$70/200=0.35$、「$51$~$60$歳」:$90/200=0.45$、
「$61$~$70$歳」:$90/200=0.45$、「$71$歳以上」:$150/200=0.75$
となります。「施策A」の選択率について人口構成比を考慮して平均を求めると、$$0.1\times10\%+0.3\times10\%+0.35\times15\%+0.45\times15\%+0.45\times20\%+0.75\times30\%=0.475$$となります。