2.7.1 ベルヌーイ分布 〜統計検定2級対応・統計学入門まとめ〜

当まとめでは統計検定$2$級の公式テキストの副教材に用いることができるように、統計学入門に関して取り扱います。当記事では「統計検定$2$級対応 統計学基礎」の$2.7.1$節「ベルヌーイ分布」の内容を元にベルヌーイ分布の確率関数や期待値・分散の計算に関して取りまとめました。
統計検定$2$級のテキストとの対応がわかりやすいように、目次を「統計検定$2$級対応 統計学基礎」と対応させました。学びやすさの観点からあえて目次を対応させましたが、当まとめは「統計の森」オリジナルのコンテンツであり、統計検定の公式とは一切関係ないことにご注意ください。

・統計検定$2$級対応・統計学入門まとめ
https://www.hello-statisticians.com/stat_basic

ベルヌーイ分布の概要

概要

ベルヌーイはコイン投げのように$2$通りの結果が観測される場合を取り扱う確率分布です。たとえばコイン投げでは「表」と「裏」の$2$通りの事象が観測されます。

必要な数学

ベルヌーイ分布の期待値や分散の式を表すにあたって、$\displaystyle \sum$は必ずしも必須ではありませんが抑えておくことでシンプルに取り扱えるので抑えておくと良いと思います。

ベルヌーイ分布の確率関数・期待値・分散

ベルヌーイ分布の確率関数

ベルヌーイ分布の確率関数を$p(x)$とおくと、$p(x)$は下記のように表されます。
$$
\large
\begin{align}
p(x) = p^{x} (1-p)^{1-x}
\end{align}
$$

上記の式の理解はやや難しいですが、ベルヌーイ分布では$x$の値が$x=0,1$の$2$値であることに基づいて下記のように考えることでわかりやすいです。
・$x=1$の場合
$$
\large
\begin{align}
p(1) &= p^{1} (1-p)^{1-1} \\
&= p
\end{align}
$$

・$x=0$の場合
$$
\large
\begin{align}
p(0) &= p^{0} (1-p)^{1-0} \\
&= 1-p
\end{align}
$$

確率関数$p(x)$は「確率変数が$X=x$である確率」を表す関数であるので、$p(x) = p^{x} (1-p)^{1-x}$は$x=1$である確率が$p$、$x=0$である確率が$1-p$であることを表す関数だと考えることができます。

ベルヌーイ分布の期待値

ベルヌーイ分布の期待値$E[X]$は前項で確認した確率関数と期待値の定義式に基づいて下記のように導出することができます。
$$
\large
\begin{align}
E[X] &= \sum_{i=0}^{1} x p(x) \\
&= 0 \cdot p(0) + 1 \cdot p(1) \\
&= p
\end{align}
$$

ベルヌーイ分布の分散

ベルヌーイ分布の分散$V[X]$は$V[X]=E[X^2]-E[X]^2$に基づいて下記のように導出することができます。
$$
\large
\begin{align}
E[X^2] &= \sum_{i=0}^{1} x^2 p(x) \\
&= 0^2 \cdot p(0) + 1^2 \cdot p(1) \\
&= p \\
V[X] &= E[X^2] – E[X]^2 \\
&= p – p^2 \\
&= p(1-p)
\end{align}
$$

$V[X]=E[X^2]-E[X]^2$の導出に関しては下記で詳しく取り扱いました。

「2.7.1 ベルヌーイ分布 〜統計検定2級対応・統計学入門まとめ〜」への1件の返信

  1. […] 「ベルヌーイ分布」より、$E[X_i]=p, V[X_i]=p(1-p)$なので、二項分布の期待値$E[X]$と分散$V[X]$はそれぞれ下記のように考えることができます。$$largebegin{align}E[X] &= E left[ sum_{i=1}^{n} X_i right] \&= sum_{i=1}^{n} E[X_i] \&= np \V[X] &= V left[ sum_{i=1}^{n} X_i right] \&= sum_{i=1}^{n} V[X_i] \&= np(1-p)end{align}$$ […]

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