行列式と置換①:置換(permutation)の定義と使用例の確認

線形代数の枠組みで$n$次正方行列の行列式(determinant)を取り扱うにあたっては置換(permutation)という概念を抑えておく必要があります。当記事では置換(permutation)の定義と具体的な使用例の確認について取りまとめを行いました。
作成にあたっては「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数」の第$4$章「行列式」を主に参考にしました。

・数学まとめ
https://www.hello-statisticians.com/math_basic

置換の定義

「置換(permutation)」は文字や数字の入れ替えの操作に対応する。たとえば$12345$という数字の列に対し「$1$を$3$」、「$2$を$5$」、「$3$を$2$」、「$4$を$4$」、「$5$を$1$」にそれぞれ入れ替えると$35241$という数字の列が得られる。

上記の「$1$を$3$」、「$2$を$5$」、「$3$を$2$」、「$4$を$4$」、「$5$を$1$」に入れ替える置換操作は$\sigma$という記号を用いて下記のように表される。
$$
\large
\sigma :
\begin{cases}
1 \longmapsto 3 \\
2 \longmapsto 5 \\
3 \longmapsto 2 \\
4 \longmapsto 4 \\
5 \longmapsto 1
\end{cases}
$$

$\sigma$は下記のように表す場合もある。
$$
\large
\begin{align}
\sigma = \left[ \begin{array}{ccccc} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 \\ 3 & 5 & 2 & 4 & 1 \end{array} \right]
\end{align}
$$

また、$\sigma$によって$i \longmapsto j$になることを写像と同様な式を用いて$j = \sigma(i)$のように表すこともできる。上記の例はそれぞれ$\sigma(1)=3, \, \sigma(2)=5, \, \sigma(3)=2, \, \sigma(4)=4, \, \sigma(5)=1$のように表せる。

置換の使用例

以下、「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数」の例題の確認を行う。

基本例題$052$

・$[1]$
$$
\large
\begin{align}
\sigma = \left[ \begin{array}{cccc} 1 & 2 & 3 & 4 \\ 3 & 2 & 4 & 1 \end{array} \right], \quad (1324)
\end{align}
$$

「$1 \longmapsto 3$」、「$2 \longmapsto 2$」、「$3 \longmapsto 4$」、「$4 \longmapsto 1$」のように置換処理を行うので、求める順列は$3421$である。

・$[2]$
$$
\large
\begin{align}
\sigma = \left[ \begin{array}{ccccc} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 \\ 2 & 3 & 5 & 1 & 4 \end{array} \right], \quad (35124)
\end{align}
$$

「$1 \longmapsto 2$」、「$2 \longmapsto 3$」、「$3 \longmapsto 5$」、「$4 \longmapsto 1$」、「$5\longmapsto 4$」のように置換処理を行うので、求める順列は$54231$である。

・$[3]$
$$
\large
\begin{align}
\sigma = \left[ \begin{array}{cccc} 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ 5 & 3 & 4 & 6 & 2 & 1 \end{array} \right], \quad (632514)
\end{align}
$$

「$1 \longmapsto 5$」、「$2 \longmapsto 3$」、「$3 \longmapsto 4$」、「$4 \longmapsto 6$」、「$5 \longmapsto 2$」、「$6 \longmapsto 1$」のように置換処理を行うので、求める順列は$143256$である。