Ch.4 「VARモデル」の章末問題の解答例 〜計量時系列分析 朝倉書店〜

当記事は「経済・ファイナンスデータの計量時系列分析(朝倉書店)」の読解サポートにあたってChapter.4の「VARモデル」の章末問題の解説について行います。

基本的には書籍の購入者向けの解答例・解説なので、まだ入手されていない方は入手の上、ご確認ください。また、解説はあくまでサイト運営者が独自に作成したものであり、書籍の公式ページではないことにご注意ください。(そのため著者の意図とは異なる解説となる可能性はあります)

また、下記に公式の解答があるので、こちらも合わせて参照ください。
https://www.asakura.co.jp/user_data/contents/12792/3.pdf

章末の演習問題について

問題4.1の解答例

$\Gamma_k$の$(i,j)$成分$\Gamma_{k,ij}$と、$\Gamma_{-k}$の$(j,i)$成分$\Gamma_{-k,ji}$をそれぞれ考える。
・$\Gamma_{k,ij}$
$$
\large
\begin{align}
\Gamma_{k,ij} = Cov(y_{i,t}, y_{j,t-k})
\end{align}
$$

・$\Gamma_{-k,ji}$
$$
\large
\begin{align}
\Gamma_{-k,ji} &= Cov(y_{j,t}, y_{i,t+k}) \\
&= Cov(y_{j,t-k}, y_{i,t})
\end{align}
$$

上記より、$\Gamma_{k,ij} = \Gamma_{-k,ji}$であることが確認できるので、$\Gamma_k = \Gamma^{T}_{-k}$であることがわかる。

問題4.2の解答例

$(4.3)$式に基づき、AR特性方程式の計算を行う。
$$
\large
\begin{align}
\left| \mathbf{I}_{2} – \Phi_{1}z \right| &= 0 \\
\left| \left(\begin{array}{cc} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{array} \right) – \left(\begin{array}{cc} 0 & \gamma \\ 0 & 1 \end{array} \right) z \right| &= 0 \\
\left| \left(\begin{array}{cc} 1 & -\gamma z \\ 0 & 1-z \end{array} \right) \right| &= 0 \\
1-z &= 0 \\
z &= 1
\end{align}
$$

AR特性方程式の解の絶対値が$1$より大きくないことから、この$VAR(1)$過程が定常でないことが確認できる。

問題4.3の解答例

問題4.4の解答例

問題4.5の解答例

問題4.6の解答例

まとめ