統計検定準1級 問題解説 ~2017年6月実施 選択問題及び部分記述問題 問9~

過去問題

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解答

[1] 解答

$\boxed{ \ \mathsf{10}\ }$ : ④

(ア) $V(\bar{X})$において,$n = N/2$として,計算すると,

       \[
         V(\bar{X}) = \dfrac{N-N/2}{N-1}\dfrac{1}{N/2}\sigma^2 = \dfrac{1}{N-1}\sigma^2 
       \]

となり母集団の大きさ$N$に依存するので誤り.

(イ) 母集団を無限母集団とみなした場合の標本平均の分散は$\dfrac{\sigma^2}{n}$ である.$n\geq 1$とすると,$\dfrac{N-n}{N-1} \leq 1$ であるから,$V(\bar{X}) \leq \dfrac{\sigma^2}{n}$となり,正しい.

(ウ) 有限母集団からの復元単純無作為抽出による,標本平均の分散も$\dfrac{\sigma^2}{n}$ であるから正しい.

[2] 解答

$\boxed{ \ \mathsf{11}\ }$ : ①

 $V_1$ は,$N=7270$,$n=800$,$\sigma^2=500$ として,$V(\bar{X})$ を計算すればよい.

\[
       V_1 = \dfrac{7270-800}{7270-1}\dfrac{1}{800}500 = 0.556
\]

$V_2$ は,無限母集団と見なした場合なので,

   \[
       V_2 = \dfrac{500}{800} = 0.625  
   \]

$V(\bar{X})$の導出については「標本平均の分散に対して有限修正(finite correction)を行う際の修正項の導出」の記事を参照.