統計検定準1級 問題解説 ~2018年6月実施 問9 ピアソンのχ二乗適合度検定~

問題

過去問題は統計検定公式が問題と解答例を公開しています。こちらを参照してください。

解答

[1] 解答

$\boxed{ \ \mathsf{15}\ }$ : ④

$a$を大きくするにつれて、下記が生じる。

・$\displaystyle \frac{(O-E)^2}{E} = \frac{(b-a)^2}{a}$は、$a=2a, b=2b$で置き換えると$2$倍になる。よって、$\chi^2$統計量は大きくなる。
・$a=2a, b=2b$のように置き換えるとき、クラメールの連関係数の$n$も$n=2n$で置き換えるので、クラメールの連関係数の値は一定である。
・適合度検定では、表の大きさが変わらなければ$\chi^2$統計量の分布は変わらない。よって、サンプル数が増えるにつれて$P$値は小さくなる。

よって④が正しいことがわかる。

[2] 解答

$\boxed{ \ \mathsf{16}\ }$ : ①

$$
\large
\begin{align}
\sqrt{\frac{116.52}{1500 \times 5}} = 0.12464…
\end{align}
$$
クラメールの連関係数は上記のように計算できる。よって③は間違い。また、$P$値は$0.01$未満であるので⑤も間違い。

ここでクラメールの連関係数の値が$0.1$であることから、関連性が有意であるとは言えず、②と④が間違いで①が正しい。

[3] 解答

$\boxed{ \ \mathsf{17}\ }$ : ③

表を解釈することで③が適切でないことがわかる。

解説

$[3]$が簡単である一方で、$[2]$ではクラメールの連関係数の解釈が問われており、難しいように思われました。$[1]$に関しては適合度検定の式で$\displaystyle \frac{(O-E)^2}{E}$が用いられていることを元に考えれば解けると思います。

クラメールの連関係数は教科書などではあまり見つからなかったので、式の解釈にあたってもう少し誘導をつけるか単に計算問題にする方が良いように思われました。試験時では②と④が同時に正しいことはないことから①が正しいで正答を選ぶというのは可能かもしれません。

参考

・準1級関連まとめ
https://www.hello-statisticians.com/toukeikentei-semi1