統計検定1級 統計応用 問題解説 ~2019年11月実施 理工学 問3~

統計検定1級の2019年11月の「統計応用、理工学」の問3の解答例と解説について取り扱いました。他の問題の解答に関しては下記よりご確認ください。
https://www.hello-statisticians.com/stat_certifi_1_app

問題

詳しくは統計検定公式よりご確認ください。

解答

$[1]$
因子が割り当てられない第$[3], [5], [6]$列による変動が誤差であると考えられるので、誤差平方和は$2+1+3=6$と計算できる。ここで自由度$3$より誤差分散は$6/3=2$であり、因子$A$の$F$値は$5/2=2.5$、因子$B$の$F$値は$4/2=2$のようにそれぞれ計算できる。

また、実験順序は実験全体の順序を無作為に決めた例を選べば良いので、順序$2$が適切であると考えることができる。

$[2]$
交互作用$A \times B$の変動は第$[3]$列に現れると考えることができる。よって、誤差平方和は$1+3=4$、自由度が$2$であるので、誤差分散は$4/2=2$のように計算できる。これより交互作用$A \times B$の$F$値は$2/2=1$であると考えることができる。

$[3]$
因子$A$を$1$次因子、因子$B,C,D$を$2$次因子とする場合には第$[2]$列に基づいて$1$次因子の順序を無作為化し、その後に$2$次因子の順序を無作為化すれば良い。したがって順序$4$が適切であると考えることができる。

$[4]$
$[1]$の完全無作為化実験の場合は$8$回の焼成である一方で、$[3]$の分割実験の場合は$4$回の焼成となる。

$[5]$
$1$次誤差は第$[1],[3]$列に現れ、その誤差分散は$2+2/2=2$と推定できる。これより、$A$の$F$値は$5/2=2.5$のように計算できる。一方で$2$次誤差は第$[6]$列に現れ、その誤差分散は$1/1=1$と推定できる。これより、因子$B,C,D$の$F$値はそれぞれ$4,1,1$のように計算できる。

解説

直交表を用いた実験計画法を考えるにあたって、ここで用いられた$L_8(2^7)$型直交表はよく出てくるので抑えておくと良いと思います。