2022年度共通テスト数学 IIB 第3問 確率・統計 〜確率分布の一次関数による近似〜

本記事では$2022$年度共通テスト数学 IIB より、第$3$問の確率・統計を取り扱いました。第$3$問では二項分布に従う確率変数に関する問題、確率分布の一次関数による近似が出題されました。高度な知識は不要である一方で、計算がなかなか多く試験で解くには大変な印象でした。

・参考
二項分布の解説記事:
https://www.hello-statisticians.com/explain-terms-cat/probdist3.html

解答

$(1)$

定義からZは $B(400, 0.25)$ に従います。二項分布 $B(n, p)$ に対し、期待値は $np$ です。$Z$の期待値は$100$です。

$(2)$

標準偏差を求めるので,まずは分散 $V(R)$ を求めます。

$\displaystyle V(R) = V \left( \frac{Z}{400} \right) = \frac{V(Z)}{400^2}$ です。$\displaystyle \frac{1}{400}$ という係数が二乗となって出てきます。また、二項分布の分散は $np(1-p)$ です。従って,$\displaystyle V(R) = \frac{V(Z)}{400^2} = 400 \times \frac{0.25(1-0.25)}{400^2}$。求めるのは標準偏差であり、値は $\displaystyle \sqrt{400 \times 0.25(1-0.25)/400^2} = \frac{\sqrt{3}}{80}$ です。

確率変数 R の分布を正規分布で近似しています。標準正規分布を考えれば確率の計算ができますので、標準正規分布に従うように$R$を変形します。

$$P(R \geq x)= P\left(\frac{R-0.25}{\sqrt{3}/80} \geq \frac{x-0.25}{\sqrt{3}/80}\right)$$

$$= 1 – P\left(\frac{R-0.25}{\sqrt{3}/80} \leq \frac{x-0.25}{\sqrt{3}/80}\right) = 0.0465 $$

$$ P\left(\frac{R-0.25}{\sqrt{3}/80} \leq \frac{x-0.25}{\sqrt{3}/80}\right) = 0.9535 $$

表から,$\displaystyle \frac{x-0.25}{\sqrt{3}/80} = 1.68$ ($1.68$は標準正規分布の表を参照)のとき等式が成り立ちます。$\sqrt{3}=1.73$ を用いて計算すると、$x=0.286$ が出てきます。(電卓なしではきつい計算だと思います)

$(3)$

P(全事象) ですので答えは$1$です。

ケコ

$$\int^{300}_{100} (ax+b)dx=\left[\frac{ax^2}{2}+bx\right]^{300}_{100}
= 4 \times 10^4a + 200b = 1 $$

サシス

ケコ で得た等式 $$4 \times 10^4a + 200b = 1 $$ と問題文中の等式②を用いて,$a=-3 \times 10^{-5}, b=11 \times 10^{-3}$ を得ます。

$P(200 \leq X) $ を求めよ、という問題です。

$$ \int^{300}_{200} (ax+b)dx=\left[\frac{ax^2}{2}+bx\right]^{300}_{200} $$

$$= \frac{a}{2}(300^2 – 200^2) + 100b = 0.35 $$

答えは$35$%です。

 

まとめ

以上です。途中 $1.73 \times 1.68$ という計算が出てきたときは面食らいました。確率密度分布を一次関数で近似するという問題が面白かったです。まず、確率密度関数の規格化条件(全事象の確率は$1$という条件)でパラメータの方程式が得られました。次に、期待値が観測されたデータの平均と合わせるように方程式を導いていました。

出典: 2022年度 共通テスト 数学IIB