はじめに
本記事では$2022$年度 共通テスト$ 数学\rm{IA} 第2問 [2] $より、データの分析を扱います。第$2$問だけで$10$ページもありました(データの分析は図表が多いですが、$6$ページです)。受験生は$15$~$20$ 分で解き切るのが目安です(難しい)。
・入試問題 解答・解説まとめ
https://www.hello-statisticians.com/entrance_exam
(1)
スでは四分位範囲を考えるので、上から四分位数などを求めていくときにメモしていきましょう。まず、データのサンプル数は$ 29$ ですので、中央値は$ 15 $番目の値、第一四分位数は$ 7、8 $番目の値、第三四分位数は$21、22$ 番目の値(上から$7、8$番目)に着目します。ヒストグラムからそれぞれ(が入っている階級)を求めると、以下のようになります。
代表値 | 2009 | 2018 |
中央値 | 30~45 | 30~45 |
第一四分位数 | 15~30 | 15~30 |
第三四分位数 | 60~75 | 45~60 |
ケ ②, コ ②, サ ⓪ が正解です。シの範囲については、明らかに $2018$ 年度の方が小さいので、⓪です。
スの四分位範囲は (第三四分位数) – (第一四分位数) で与えられますが、この問題では具体的な値が出てきません。第一四分位数は両年度で等しく、第三四分位数は $2018$ 年度の方が小さいので ⓪ が答えっぽいですが、違います。$2009$ 年度の(第一四分位数, 第三四分位数)= $ (30, 60)、 2018 $年度の(第一四分位数, 第三四分位数)=$ (15, 60)$ のとき、$2018$年度の四分位範囲の方が大きいです。実際どちらの四分位範囲の方が大きいかは判断できません。よって、③です。
(2)
箱ひげ図から横軸の最大値が$480$くらいです。①は達していないので除外できます。
箱ひげ図から第三四分位数は$ 245 $くらいです。⓪は上から$8$番目のデータが $250$ 以上なので除外できます。
箱ひげ図から第一四分位数は$ 90 $くらいです。③において、$100$以上のデータ($100$以下の部分が見えにくかったので、多いけどこちらを数えました)は$ 23$ あるので、第一四分位数はもっと大きな値になります。
従って ② が正解です。
(3)
ソタチ
共分散を S, T それぞれの標準偏差で割れば求まります。$\displaystyle \frac{735.3}{39.3 \times 29.9} = 0.625…$ より $0.63$ が答えです。
脱線しますが、めんどくさがって$ 29.9$ なんて大体 $30$ だと思い、$\displaystyle \frac{735.3}{39.3 \times 29.9}$ を計算すると、$0.6236… $が出ます。筆者はこれで間違えました。
(4)
ツ
難問だと思います。⓪,② では相関係数は $0.6$ もないです。①,③を見ると、①の方が全体的に上に寄っていますね。Tの平均に差が現れそうです。実際の値は $72.9$ であり、①においては $9$ 個の点の T の値が $80$ を下回っています。逆に、$20$個の点は $80$ 以上です。$80$ を下回っている$9$個の点と上位$9$番目の点の計$18$個の点の平均を考えると$ 72.9$を超えます。よって全体でも$ 平均は$ 72.9$ を超えるでしょう。よって、③が正解です。
終わりに
サンプル数が $29$ なので、かなり細かく見ないといけませんでした。マニアックな知識は不要なので、解き慣れると高得点を狙い易い大問だと思います。
出典: 2022年度 共通テスト 数学IA