行列式と置換⑦:置換行列(permutation matrix)

線形代数の枠組みで$n$次正方行列の行列式(determinant)を取り扱うにあたっては置換(permutation)という概念を抑えておく必要があります。当記事では置換行列(permutation matrix)について取りまとめを行いました。
作成にあたっては「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数」の第$4$章「行列式」を主に参考にしました。

・数学まとめ
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置換行列

置換行列の定義

$K^{n}$の標準基底を$\{ \mathbf{e}_{1}, \mathbf{e}_{2}, \cdots , \mathbf{e}_{n} \}$のように定義する、このとき$1, \cdots , n$の$n$個の文字の置換$\sigma$について$n$次の置換行列$E(\sigma)$は下記のように定義される。
$$
\large
\begin{align}
E(\sigma) = \left[ \mathbf{e}_{\sigma(1)} \,\, \mathbf{e}_{\sigma(2)} \,\, \cdots \,\, \mathbf{e}_{\sigma(n)} \right]
\end{align}
$$

置換行列の性質

$n$次の置換行列$E(\sigma)$について下記が成立する。
$$
\large
\begin{align}
\det{(E(\sigma))} &= \mathrm{sgn}(\sigma) \quad (1) \\
E(\sigma \tau) &= E(\sigma) E(\tau) \quad (2) \\
\left[ E(\sigma) \right]^{-1} &= E \left( \sigma^{-1} \right) \quad (3) \\
AE(\sigma) &= \left[ \mathbf{v}_{\sigma(1)} \,\, \mathbf{v}_{\sigma(2)} \cdots \,\, \mathbf{v}_{\sigma(n)} \right] \quad (4)
\end{align}
$$

ただし上記の$\sigma, \tau$は$1, \cdots , n$の$n$個の置換、行列$A$は下記の$(5)$式の行列を表す。
$$
\large
\begin{align}
A &= \left[ \mathbf{v}_{1} \,\, \mathbf{v}_{2} \,\, \cdots \,\, \mathbf{v}_{n} \right] \quad (5)
\end{align}
$$

例題の確認

以下、「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数」の例題の確認を行う。

重要例題$043$