1次独立(linearly independent)と関数のベクトル空間

$1$次独立(linearly independent)・$1$次従属はベクトル空間を取り扱う上で基底(basis)の定義に用いられるなど重要な概念です。当記事では関数のベクトル空間が$1$次独立(linearly independent)であるかの判定について取り扱いました。
作成にあたっては「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数」の第$5.2$節「$1$次独立と$1$次従属」を主に参考にしました。

・数学まとめ
https://www.hello-statisticians.com/math_basic

関数のベクトル空間の1次独立

1次独立・1次従属の定義

下記で詳しく取り扱いました。

関数のベクトル空間の1次独立

$$
\large
\begin{align}
a_0 + a_1 x + a_2 x^2 \cdots + a_{n-1} x^{n-1} + a_n x^{n} = 0 \implies a_1 = a_2 = \cdots = a_n = 0
\end{align}
$$

上記が成立するとき$\{ 1, \, x, \, x^2, \, \cdots , \, x^{n-1}, \, x^{n} \}$は$1$次独立である。

具体例の確認

以下、「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数」の例題の確認を行う。

基本例題$094$

$a_0 + a_1 x + a_2 x^2 = 0$に$x=0, \, x=1, \, x=-1$を代入すると下記が得られる。
$$
\large
\begin{align}
a_0 &= 0 \\
a_0 + a_1 + a_2 &= 0 \\
a_0 \, – \, a_1 + a_2 &= 0
\end{align}
$$

上記より$a_0 = a_1 = a_2 = 0$が得られる。よって$\{ 1, \, x, \, x^2 \}$は$\mathbb{R}$上$1$次独立である。