統計や機械学習に関するプログラミングではPython
やR
が用いられることが多いですが、近年Julia
も注目を集めています。そこで当シリーズではJulia
の基本構文からライブラリの用い方などについて取りまとめます。当記事ではJulia
の辞書型オブジェクトについて取りまとめを行いました。
・Julia
入門
https://www.hello-statisticians.com/julia
・Julia 1.8 Documentation
https://docs.julialang.org/en/v1/
辞書型オブジェクト
辞書型オブジェクトの概要
辞書(dictionary)は『キー(key)』と『値(value)』の二つをセットで格納する形式です。辞書の基本的な使い方は『キーを検索し値を取得を行う』と抑えておくと良いです。
辞書の初期化・値の追加・値の取得
辞書の初期化は下記のようにDict{String, Int}()
を用いることで行うことができます。
d = Dict{String, Int}()
println(d)
println(typeof(d))
・実行結果
Dict{String, Int64}()
Dict{String, Int64}
辞書への値の追加と値の取得は下記のように行うことが可能です。
d = Dict{String, Int}()
d["apple"] = 1
d["orange"] = 2
d["grape"] = 3
println(d)
println(d["apple"])
・実行結果
Dict("orange" => 2, "apple" => 1, "grape" => 3)
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キーの検索・判定
辞書の活用にあたっては『キーが辞書に含まれる場合に値を返し、含まれない場合は別の処理を返す』ような処理がよく用いられます。この際に『キーが辞書に含まれるかの判定』はhaskey
関数を用いることで行うことができます。
d = Dict{String, Int}()
d["Python"] = 1
d["R"] = 2
d["Julia"] = 3
println(haskey(d, "Julia"))
if haskey(d, "Julia")
println("Found")
else
println("Not Found")
end
・実行結果
true
Found
参考
・Julia 1.8 Documentation
https://docs.julialang.org/en/v1/