行列の定義まとめ 〜正方行列、正則行列、正定値行列 etc〜|線形代数入門【1】

行列・線形代数を学ぶにあたって様々な行列の名称が出てきますが、正方行列、正則行列、正規行列、正定値行列、直交行列、対称行列、エルミート行列など数多くの名称が出てくるので抑えておくのがなかなか大変です。そこで当記事では行列の定義に関して取りまとめを行いました。

基本的な行列定義

正方行列(square matrix)

行と列の要素の数が同じ行列を正方行列(square matrix)という。$n$行$n$列の正方行列$A$は下記のように表すことができる。
$$
\large
\begin{align}
A &= (a_{ij}) \\
&= \left(\begin{array}{ccc} a_{11} & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & \cdots & a_{nn} \end{array} \right)
\end{align}
$$

転置行列(transposed matrix)

$m$行$n$列の行列$A$に対して$A$の$(i,j)$要素と$(j,i)$要素を入れ替えてできる$n$行$m$列の行列を転置行列(transposed matrix)という。転置行列を$A^{\mathrm{T}}$とおくと、$A^{\mathrm{T}}$は下記のように表すことができる。
$$
\large
\begin{align}
A^{\mathrm{T}} &= (a_{ji}) \\
&= \left(\begin{array}{ccc} a_{11} & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{m1} & \cdots & a_{mn} \end{array} \right)^{\mathrm{T}} \\
&= \left(\begin{array}{ccc} a_{11} & \cdots & a_{1m} \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & \cdots & a_{nm} \end{array} \right)
\end{align}
$$

随伴行列(adjoint matrix)

随伴行列は$A^{\dagger}$などで表す。行列$A$の随伴行列は$A$を転置し、その複素共役を取ったものが該当する。

行列の対称性に基づく行列の定義

対称行列(symmetric matrix)

エルミート行列

$A^{\dagger}$を随伴行列とするとき、$A=A^{\dagger}$が成立する$A$をエルミート行列という。
実対称行列の複素数に対する拡張版の概念である。

分散共分散行列

下記などで詳しく取り扱った。
https://www.hello-statisticians.com/explain-terms-cat/pca1.html

行列の直交性に基づく行列の定義

直交行列(orthogonal matrix)

ユニタリ行列(unitary matrix)

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