6章「確率変数と確率分布」の練習問題解答例〜例題で学ぶ初歩からの統計学[第2版]〜

当記事は「白砂, 例題で学ぶ初歩からの統計学 第2版 (日本評論社)」の読解サポートにあたって6章「確率変数と確率分布」の練習問題を解説します。
基本的には書籍の購入者向けの解説なので、まだ入手されていない方は下記より入手をご検討ください。また、解説はあくまでサイト運営者が独自に作成したものであり、書籍の公式ページではないことにご注意ください。(そのため著者の意図とは異なる解説となる可能性はあります)

執筆:@kakusan96

演習問題解答例

6.1 確率変数と確率分布

コインの表が出る「回数」は離散確率変数である。
離散型の確率分布の期待値、分散、標準偏差は定義より、下記の通り計算できる。

①期待値は$E[X] = \sum_i p_i x_i$より

$$
\large
\begin{align}
E[X] &= \sum xp(x) \\
&= 0 \cdot \frac{1}{16} + 1 \cdot \frac{1}{4} + 2 \cdot \frac{3}{8} + 3 \cdot \frac{1}{4} + 4 \cdot \frac{1}{16} \\
&=2
\end{align}
$$

②分散は$V[X]=E[ (X-E[X])^ 2]=\sum_i (x_i-\mu)^ 2 p_i$より

$$
\begin{align}
V[X] &= \sum xp(x) \\
&= (0-2)^{2} \cdot \frac{1}{16} + (1-2)^{2} \cdot \frac{1}{4} + (2-2)^{2} \cdot \frac{3}{8} + (3-2)^{2} \cdot \frac{1}{4} + (4-2)^{2} \cdot \frac{1}{16} \\
&= 1
\end{align}
$$

③標準偏差は

$$
\large
\sqrt{1}=1
$$

6.2 二項分布

二項分布 $p(x) = \mathrm{Bin}(n, p)$ は、確率$p$で起こる($1-p$で起こらない)という事象について、n回試行した場合にx回起こる確率についての分布である。
1回の試行で事象Aが起こる確率が$p$であるとき、$n$回この試行を独立に繰り返し、事象Aが$x$回起こる二項分布の期待値(平均値)$E[X]$は$E[X] = np$、分散は$V[X] = np(1-p) $、標準偏差$S$は$S=\sqrt{V[X]} = \sqrt{np(1-p)}$で表される。

よって問のそれぞれの二項分布の期待値、分散、標準偏差は以下のように計算できる。

①$\displaystyle \mathrm{Bin} \left( 18, \frac{1}{3} \right)$

$$
\large
\begin{align}
E[X] &= 18 \cdot \frac{1}{3} = 6 \\
V[X] &= 18 \cdot \frac{1}{3} \cdot \frac{2}{3} = 4 \\
S &= \sqrt{4} = 2
\end{align}
$$

②$\displaystyle \mathrm{Bin} \left( 36, \frac{1}{2} \right)$

$$
\large
\begin{align}
E[X] = 36 \cdot \frac{1}{2} = 18 \\
V[X] = 36 \cdot \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} = 9 \\
S = \sqrt{9} = 3
\end{align}
$$

③$\displaystyle \mathrm{Bin} \left( 48, \frac{1}{4} \right)$

$$
\large
\begin{align}
E[X] = 48 \cdot \frac{1}{4} = 12 \\
V[X] = 48 \cdot \frac{1}{4} \cdot \frac{3}{4} = 9 \\
S = \sqrt{9} = 3
\end{align}
$$

④$\displaystyle \mathrm{Bin} \left( 150, \frac{2}{5} \right)$

$$
\large
\begin{align}
E[X] &= 150 \cdot \frac{2}{5} = 60 \\
V[X] &= 150 \cdot \frac{2}{5} \cdot \frac{3}{5} = 36 \\
S &= \sqrt{36} = 6
\end{align}
$$

6.3 二項分布

1回の試行で事象Aの起こる確率が$p$、起こらない確率が$q=(1-q)$であるとき、$n$回この試行を独立に繰り返し、事象Aが$x$回起こる確率$P(x)$は$P(x) = Bin(n, p) = {}_n C_x p^ x(1-p)^{n-x}$の二項分布に従う。

今回は$p=1/4$、$q=1-p=3/4$、$n=5$であるため以下のように計算できる。

①$0$人

$$
\large
\begin{align}
P(0) &= _5 C_0 \left( \frac{1}{4} \right)^0 \left( 1-\frac{1}{4} \right)^{(5-0)} \\
&= \frac{243}{1024}
\end{align}
$$

②$1$人

$$
\large
\begin{align}
P(1) &= {}_5 C_1 \left( \frac{1}{4} \right)^1 \left( 1-\frac{1}{4} \right)^{(5-1)} \\
&= \frac{405}{1024}
\end{align}
$$

③$2$人

$$
\large
\begin{align}
P(2) &= {}_5 C_2 \left( \frac{1}{4} \right)^2 \left( 1-\frac{1}{4} \right)^{(5-2)} \\
&= \frac{135}{512}
\end{align}
$$

④$3$人

$$
\large
\begin{align}
P(3) &= {}_5 C_3 \left( \frac{1}{4} \right)^3 \left( 1-\frac{1}{4} \right)^{(5-3)} \\
&= \frac{45}{512}
\end{align}
$$

⑤$4$人

$$
\large
\begin{align}
P(4) &= {}_5 C_4 \left( \frac{1}{4} \right)^4 \left( 1-\frac{1}{4} \right)^{(5-4)} \\
&= \frac{15}{1024}
\end{align}
$$

⑥$5$人

$$
\large
\begin{align}
P(5) &= {}_5 C_5 \left( \frac{1}{4} \right)^5 \left( 1-\frac{1}{4} \right)^{(5-5)} \\
&= \frac{1}{1024}
\end{align}
$$

6.4 ポアソン分布

問題の分布は起こる確率$p$が非常に小さく、試行回数$n$が極めて大きいためポアソン分布に従う。ポアソン分布において$n$回の試行で、事象が$x$回おこる確率$p(x)$は

$$
P(x)=\frac{\lambda^ x e^{-\lambda}}{x!}
$$

ここで、$λ=np$→平均発生回数

また、ポアソン分布の平均値、分散、標準偏差は以下の通りである。

平均値 = $\lambda = np$

分散 = $\lambda =np$

標準偏差 = $\sqrt{np}$

まず、平均発生回数$\lambda = 5/1000 \times 300 = 1.5$である。
よって各発生回数は下記の通りである。

①$0$個

$$
\large
\begin{align}
P(0) &= \frac{1.5^ 0 e^{-1.5}}{0!} = \frac{1}{e^{1.5}} \\
&= \frac{1}{(2.71828)^{1.5}}=0.2231
\end{align}
$$

②$1$個

$$
\large
\begin{align}
P(1) &= \frac{1.5^ 1 e^{-1.5}}{1!} = \frac{1.5}{1×e^{1.5}} \\
&= \frac{1.5}{1×(2.71828)^{1.5}}=0.3347
\end{align}
$$

③$2$個

$$
\large
\begin{align}
P(2) &= \frac{1.5^ 2 e^{-1.5}}{2!} = \frac{1.5^2}{2×e^{1.5}} \\
&= \frac{1.5^2}{2×(2.71828)^{1.5}}=0.2510
\end{align}
$$

④$3$個

$$
\large
\begin{align}
P(3) &= \frac{1.5^ 3 e^{-1.5}}{3!} = \frac{1.5^3}{3×e^{1.5}} \\
&= \frac{1.5^3}{6×(2.71828)^{1.5}} = 0.1255
\end{align}
$$

⑤$4$個

$$
\large
\begin{align}
P(4) &= \frac{1.5^ 4 e^{-1.5}}{4!} = \frac{1.5^4}{4×e^{1.5}} \\
&= \frac{1.5^4}{24×(2.71828)^{1.5}} = 0.0471
\end{align}
$$

⑥$5$個

$$
\large
\begin{align}
P(5) &= \frac{1.5^ 5 e^{-1.5}}{5!} = \frac{1.5^5}{5×e^{1.5}} \\
&=\frac{1.5^5}{120×(2.71828)^{1.5}} = 0.0141
\end{align}
$$

⑦$6$個

$$
\large
\begin{align}
P(6) &= \frac{1.5^ 6 e^{-1.5}}{6!} = \frac{1.5^6}{6×e^{1.5}} \\
&= \frac{1.5^6}{720×(2.71828)^{1.5}} = 0.0035
\end{align}
$$

6.5 ポアソン分布

平均発生回数$\lambda$は$3.5$である。上記の確率$P(x)$はポアソン分布に従うので求める確率は下記の通り。

①求める確率は$P(0)$である。よって

$$
\large
\begin{align}
P(0) &= \frac{3.5^ 0 e^{-3.5}}{0!} = \frac{3.5^0}{e^{3.5}} \\
&= \frac{3.5^0}{(2.71828)^{3.5}} = 0.0302
\end{align}
$$

②求める確率は$P(1)$である。よって

$$
\large
\begin{align}
P(1) &= \frac{3.5^ 1 e^{-3.5}}{1!} = \frac{3.5^1}{e^{3.5}} \\
&= \frac{3.5^1}{1×(2.71828)^{3.5}} = 0.1057
\end{align}
$$

③$1$日に緊急入院する患者が少なくとも$1$人いる事象とは$1$日に緊急入院する患者が$1$人もいないという事象の背反事象である.よって求める確率とは

$$
\large
1 – p(0) = 0.9698
$$

④求める確率は$P(5)$である。よって

$$
\large
\begin{align}
P(5) &= \frac{3.5^ 5 e^{-3.5}}{5!} = \frac{3.5^5}{120×e^{3.5}} \\
&= \frac{3.5^5}{120×(2.71828)^{3.5}} = 0.1322
\end{align}
$$

⑤$1$日に緊急入院する患者が$5$人以上いる事象とは$1$日に緊急入院する患者が$4$人以下である確率の背反事象である。よって求める確率は

$$
\large
1 – (P(0) + P(1) + P(2) + P(3) + P(4) ) = 0.2746 (※計算省略)
$$

⑥2日間、緊急入院する患者が1人もいない確率は

$$
\large
P(0) × P(0) = 0.0009
$$

6.6 正規分布

標準正規分布とは正規分布のうち、平均が$0$、標準偏差が$1$の正規分布である。
標準正規分布表より、確率を求めることができる。

①$P(-0.97 <= z <= 0)$

$$
\large
P(-0.97 \leq z \leq 0) = P(0 \leq z \leq 0.97) = 0.3340
$$

②$P(-2.14 <= z <= 0.67)$

$$
\large
\begin{align}
&P(-2.14 \leq z \leq 0) = P(0 \leq z \leq 2.14) =0.4838 \\
&P(0 \leq z \leq 0.67) = 0.2486 \\
\end{align}
$$

であるので、

$$
\large
(-2.14 \leq z \leq 0.67) = 0.4838 + 0.2486 = 0.7324
$$

③$P(z >= 1.29)$

$$
\large
P(z \geq 0) = 0.5
$$

であるので、

$$
\large
\begin{align}
P(z \geq 1.29) &= P(z \geq 0) – P(0 \leq z \leq 1.29) \\
&= 0.5 – 0.4015 = 0.0985
\end{align}
$$

④$P(1.03 <= z <= 1.91)$

$$
\large
\begin{align}
P(1.03 \leq z \leq 1.91) &= P(0 \leq z \leq 1.91) – P(0 \leq z \leq 1.03) \\
&= 0.4719 – 0.3485 = 0.1234
\end{align}
$$

6.7 正規分布

正規分布とは連続型確率分布の代表的な分布で$N(\mu, \sigma^2)$で表され、その確率密度関数は

$$
\large
f(x)=\frac{1}{\sigma\sqrt{2\pi}}\exp \left(-\frac{(x-\mu)^ 2}{2\sigma^ 2} \right)
$$

である。ここで、$\mu$は期待値、$\sigma$は標準偏差である。

また、

$$
\large
z = \frac{x-\mu}{\sigma} 
$$

とおくと、zは平均0、標準偏差1の正規分布$N(0, 1)$に従う。
この標準化の変換を行うと求めたい確率を、標準正規分布表から知ることができる。
題意より、確率変数$x$が正規分布$N(52.0, 7.5^2)$に従うため、

$$
\large
z = \frac{x – 52.0}{7.5}
$$

と変換する。

①$P(x>=59.8)$

$$
\large
\begin{align}
P(x \geq 59.8) &= P \left( z \geq \frac{59.8-52.0}{7.5} \right) \\
&= P(z \geq1.04)
\end{align}
$$

よって標準正規分布上で$z\geq1.04$の部分の面積を求める。

$P(z \geq 0) =0.5$であるため、

$$
\large
\begin{align}
P(z \geq 1.04) &= P(z \geq 0) – P(0 \leq z \leq 1.04) \\
&= 0.5 -0.3508 = 0.1492
\end{align}
$$

②$P(61.3<=x<=70.6)$

$$
\large
\begin{align}
P(61.3 \leq x \leq 70.6) &= P \left( \frac{61.3-52.0}{7.5}\leq z \leq \frac{70.6 – 52.0}{7.5} \right) \\
&= P( 1.24\leq z \leq 2.48)\\
\end{align}
$$

よって標準正規分布上で$1.24\leq z \leq 2.48$の部分の面積を求める。

$$
\large
\begin{align}
P( 1.24\leq z \leq 2.48) &= p(0 \leq z \leq 2.48) – P(0 \leq z \leq 1.24) \\
&= 0.4934 – 0.3925 = 0.1009
\end{align}
$$

③$P(x>=36.4)$

$$
\large
\begin{align}
P(x \geq 36.4) &= P \left( z \geq \frac{36.4-52.0}{7.5} \right) \\
&= P(z \geq-2.08)
\end{align}
$$

よって標準正規分布上で$z\geq-2.08$の部分の面積を求める。

$$
\large
\begin{align}
P(z \geq -2.08) &= P(z \geq 0)  + P(0 \leq z \leq 2.08) \\
&= 0.5 + 0.4812 = 0.9812
\end{align}
$$

④$P(45.7<=x<=64.3)$

$$
\large
\begin{align}
P(45.7 \leq x \leq 64.3) &= P\left( \frac{45.7-52.0}{7.5}\leq z \leq \frac{64.3 – 52.0}{7.5} \right) \\
&= P( -0.84\leq z \leq 1.64)
\end{align}
$$

よって標準正規分布上で$-0.84\leq z \leq 1.64$の部分の面積を求める。
$P(- 0.84 \leq z \leq 0) = P(0 \leq z \leq 0.84)$より、

$$
\large
\begin{align}
P( -0.84\leq z \leq 1.64) &= P(0 \leq z \leq 0.84) + P(0 \leq z \leq 1.64) \\
&= 0.2995 + 0.4495 = 0.749
\end{align}
$$

6.8 正規分布

題意より、身長は$N(151.4, 5^2)$の正規分布に従う。

①上記の正規分布の確率密度関数を$P(x)$とおくと求める確率は$P(x \geq 160)$であり、この確率を標準化して、確率を求めると

$$
\large
\begin{align}
P \left( z \geq \frac{160-151.4}{5} \right) &= P(z \geq 1.72) \\
&= P(z \geq 0) – P(z \leq 1.72) \\
&= 0.5 – 0.4573 \\
&= 0.0427
\end{align}
$$

これが表すのは、$x$が$160$以上になる、つまり身長が$160$cm以上になる確率は$0.0427$であるということである。
よって、$200$人のうち$160$cm以上の児童は$200 × 0.0427 = 8.54$で約$9$人である。

②求める確率は$P(145 \leq x \leq 155)$であり、この確率を標準化して確率を求めると

$$
\large
\begin{align}
P \left( \frac{145-151.4}{5} \leq z \leq \frac{155-151.4}{5} \right) &= P(-1.28 \leq z \leq 0.72 ) \\
&= P(0 \leq z \leq 1.28) + P(0 \leq z \leq 0.72) \\
&= 0.3997 + 0.2642 \\
&= 0.6639
\end{align}
$$

これが表すのは、$x$が145以上、$155$以下になる、つまり身長が$145$cm以上、$155$cm以下になる確率は$0.6639$であるということである。
よって$200$人のうち、身長が$145$cm以上、$155$cm以下の児童は$200 × 0.6639 = 132.78$で約$133$人である。

③$200$人のうち、上位$5$人に入るということは$5/200 = 0.025$の確率である。
そのため、$P( z \geq a) = 0.025$となる$x$の値を求める。

$$
\large
\begin{align}
P(z \geq a) &= 0.025 \\
P(z \geq 0) – P(0 \leq z \leq a) &= 0.025 \\
0.5 -P(0 \leq z \leq a) &= 0.025 \\
P(0 \leq z \leq a) &= 0.4975
\end{align}
$$

標準正規分布より、$0.4975$に近い値$a$の値は$1.96$である。
ここで、$z \geq 1.96 $のときのxの値を求める。

$$
\large
\begin{align}
&\frac{x-151.4}{5} \geq 1.96 \\
&x \geq 161.2
\end{align}
$$

よって上位$5$人に入るためには$161.2$cm以上必要である。

6-9(正規分布)

お弁当の売り上げ数の分布における上位$5$%点の確率変数を求める。
確率$95$%で売り切れが出ないようにするためには、仕入れ数を$x$とすると、標準正規分布の範囲では、$P(0 \leq z) = 0.450$となる。

$P(0 \leq z)=0.450$の時、標準正規分布表の値から最も近い値を探すと$1.64$と$1.65$の間であるため$z$の値は$1.645$とする。よって

$$
\large
\begin{align}
&\frac{x-68}{12} = 1.645\\
&x = 87.74
\end{align}
$$

仕入れ数は整数であるため、約$88$個仕入れる必要がある。

参考

・抑えておきたい公式とその簡易的な導出に関して(期待値と分散・共分散)
https://www.hello-statisticians.com/explain-terms-cat/expectation-variance-covariance.html

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