当まとめでは統計検定$2$級の公式テキストの副教材に用いることができるように、統計学入門に関して取り扱います。当記事では「統計検定$2$級対応 統計学基礎」の$3.4.1$節「正規分布の母平均の推定」の内容を元に母分散既知の際の母平均の推定について取りまとめを行いました。
統計検定$2$級のテキストとの対応がわかりやすいように、目次を「統計検定$2$級対応 統計学基礎」と対応させました。学びやすさの観点からあえて目次を対応させましたが、当まとめは「統計の森」オリジナルのコンテンツであり、統計検定の公式とは一切関係ないことにご注意ください。
・統計検定$2$級対応・統計学入門まとめ
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Contents
正規分布の母平均の推定の概要
概要
「区間推定」で取り扱った例に関して当記事では詳しく取り扱います。
必要な数学
「区間推定」の結果の導出にあたっては不等号に関する計算がよく出てくるので、抑えておく必要があります。
$$
\large
\begin{align}
-1.96 \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \leq \bar{x}-\mu \leq 1.96 \frac{\sigma}{\sqrt{n}}
\end{align}
$$
上記のような数式を$\mu$に関して解く必要があるので、特に$-x<-y$が$x>y$に対応することは必須です。
正規分布の母平均の推定
母分散が既知のとき
母平均$\mu$の$95$%区間は下記を計算することで得られます。
$$
\large
\begin{align}
\bar{x}-1.96 \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \leq & \mu \leq \bar{x} + 1.96 \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \quad (1)
\end{align}
$$
上記の導出に関しては下記で詳しく取り扱いました。
また、母平均$\mu$の$99$%区間は$z_{\alpha=0.01}=2.58$より、下記を計算することで得られます。
$$
\large
\begin{align}
\bar{x} – 2.58 \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \leq & \mu \leq \bar{x} + 2.58 \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \quad (2)
\end{align}
$$
母分散未知だがサンプル数が大きいとき
サンプル数が大きい際は一致性に基づき、観測値から計算された標準偏差$\hat{\sigma}$を$(1)$式$(2)$式の$\sigma$の代わりに用いて計算を行えば良いです。
母分散未知かつサンプル数がそれほど大きくないとき
「母分散が未知の場合の母平均の推定:分布の利用」で詳しく取り扱います。
[…] 3.4.1 正規分布の母平均の推定 〜統計検定2級対応・統計学入門まとめ〜 […]