当まとめでは統計検定$2$級の公式テキストの副教材に用いることができるように、統計学入門に関して取り扱います。当記事では「統計検定$2$級対応 統計学基礎」の$1.1$節「変数の分類」の内容を元に質的変数・量的変数や、尺度などの統計学における重要な用語に関して取り扱いました。
統計検定$2$級のテキストとの対応がわかりやすいように、目次を「統計検定$2$級対応 統計学基礎」と対応させました。学びやすさの観点からあえて目次を対応させましたが、当まとめは「統計の森」オリジナルのコンテンツであり、統計検定の公式とは一切関係ないことにご注意ください。
・統計検定$2$級対応・統計学入門まとめ
https://www.hello-statisticians.com/stat_basic
「変数の分類」の概要
概要
統計的な分析では下記のような表型のデータに基づく計算結果を元に分析を行います。
ID | 近さ | 家賃 | 間取り | 大きさ($m^2$) | 方角 | 築年数(年) |
$1$ | B | $68,000$ | $1K$ | $19$ | 西 | $12$ |
$2$ | B | $68,000$ | $1K$ | $19$ | 南 | $12$ |
$3$ | B | $69,000$ | $1K$ | $19$ | 北西 | $14$ |
$\vdots$ | $\vdots$ | $\vdots$ | $\vdots$ | $\vdots$ | $\vdots$ | $\vdots$ |
$139$ | A | $148,000$ | $1LDK$ | $42$ | 南 | $13$ |
$140$ | B | $150,000$ | $1LDK$ | $41$ | 南東 | $5$ |
上記の詳細は下記より入手することができます。
http://www.tokyo-tosho.co.jp/books/978-4-489-02227-2/
表$1.1$の$1$行は個体・ケース・サンプルに対応し、$1$列は調査項目が対応します。特に調査項目のことを変数(variable)ということは抑えておくと良いです。当記事では以下、「変数」の分類に関して詳しく確認を行います。
必要な数学
用語の定義の確認が主なので、必要な数学知識は特にありません。
変数の分類
質的変数/量的変数
変数の種類はカテゴリで表される質的変数(qualitative variable)と、観測値で表される量的変数(quantitative variable)に大別されます。前節で取り扱った表では「近さ」、「間取り」、「方角」が質的変数、「家賃」、「大きさ」、「築年数」が量的変数に対応します。
尺度
変数はそれぞれの値が持つ性質に基づいて$4$つの尺度に分けて考えられることがあります。尺度には「名義尺度」、「順序尺度」、「間隔尺度」、「比例尺度」の$4$つがあり、それぞれ下記のように定義されます。
尺度 | 値の意味 | 例 |
名義尺度 | 同じ値かどうかに意味がある | 国籍、職業 |
順序尺度 | 値の大小関係に意味がある | 成績評価 |
間隔尺度 | 値の大小や間隔に意味があるが$0$には意味がない | 摂氏での気温、偏差値 |
比例尺度 | 値の大小関係、値の大きさ、比に意味があり、$0$が絶対的な意味を持つ | 敷地の面積 |
[…] 1.1 変数の分類 質的変数・量的変数など 〜統計検定2級対応・統計学入門ま… […]